最近の化粧品市場では、消費者の健康と環境への関心が高まっています。特に「フリー成分」を掲げた製品が注目されており、これから化粧品をOEMで開発する方や、化粧品事業に新たにチャレンジする企業にとって重要なポイントとなっています。本記事では、フリー成分とは何か、そして化粧品業界でなぜこれが重要視されているのかを解説します。
- 化粧品のフリー成分って?
- なぜフリーにすることが好まれてるの?
- 化粧品の主なフリー成分一覧
- ブランドごとのフリー成分の選び方
さきりこ
大手メーカー化粧品研究員
開発した商品でベスコス受賞経験のある化粧品のプロ
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フリー成分とは?
まずはフリー成分とは何かについて整理しておきましょう。
フリー成分=無配合成分のこと
「フリー成分」とは、製品に特定の化学物質や添加物が含まれていないことを指します。例えば、「パラベンフリー」はパラベンが含まれていないことを、「アルコールフリー」はアルコールを使用していないことを示します。これらの表示は、製品が特定の成分を避けていることを消費者にアピールするために用いられます。
これらの製品は、「無添加」とも表現され、製品の安全性や自然派志向の消費者に訴求することができます。
化粧品業界でフリー成分が設定されている理由
化粧品業界でフリー成分が重視される主な理由は次の通りです。
- アレルギー・敏感肌への配慮:
特定の成分に対してアレルギーや敏感反応を持つ人がいます。このような成分を避けることで、肌荒れや健康問題を防ぐと考えられています。 - 環境保護:
一部の化学成分は環境に悪影響を与えると言われています。たとえば、ある種の化学物質は水に溶け出し、川や海を汚染するとされています。最近のSDGs意識の高まりもあり、環境に優しい製品を選ぶ人が増えています。 - 個人の価値観:
今の時代、多くの人々がより自然で健康的なライフスタイルを求めています。そのため、自然由来の成分を多く含み、不必要な添加物を避けた製品が好まれるようになっています。消費者は自分の価値観に合った選択をすることが多いです。
以上のように、フリー成分は健康、環境、個人の価値観といったさまざまな視点から重視されているため、これらの製品が人気を集めています。特に若い世代の消費者は、自分や地球に優しい製品を選ぶ傾向にあり、これがフリー成分製品の需要をさらに高めています。
主な化粧品フリー成分21選
では、化粧品における主なフリー成分を紹介します。
- アルコール
- 防腐剤
- 殺菌剤
- 鉱物油
- グリセリン
- 合成香料
- 合成着色料
- 石油系界面活性剤
- 合成界面活性剤
- 酸化防止剤
- 旧表示指定成分
- 紫外線吸収剤
- 酸化亜鉛
- タルク
- 合成ポリマー
- シリコーン
- サルフェート(硫酸塩)
- マイクロプラスチック
- ナノ粒子
- フタル酸エステル
- DEA(ジエタノールアミン)
ここで紹介するフリー成分は次のポイントでピックアップ・分類しました。
- フリー成分として一般的に知られているものピックアップ
- 科学的な観点からかぶり・重複をなるべく避けて分類
化粧品成分は15500以上と言われています。
フリー成分とは「その製品に入っていない成分」です。1つの製品には多くても100程度しか入らないため、「入っていない成分」は無数にあります。
そのため、ここに挙げた以外にも製品やジャンルによって、フリー成分に位置づけられているものも多数存在します。
ただ、その中でなんらかの経緯や研究結果から敬遠されているのが一般的に知られているフリー成分です。今回はこれにフォーカスしてピックアップしました。
また、フリー成分をどう分類するかについて、完全に確立された決まりはありません。
例えば、パラベンは防腐剤の一種なのですが、「防腐剤フリー」「パラベンフリー」と独立で表現される場合もあります。マーケティング戦略上有利になる場合にこのような分類として理解されるのです。
また、特定の1成分を指す場合もあれば、「ナノ粒子」のように成分のサイズや形状で分類されるものもあります。
ここでは、科学的な基準に基づいてダブり・重複を避けて分類しました。
それでは見ていきましょう。
アルコール
- 成分名:エタノール、イソプロピルアルコールなど
- 配合目的や効果: 殺菌作用があり、製品の乾燥を速めて清涼感を与える。
- 敬遠される理由: アルコールは肌を過度に乾燥させ、敏感肌の人には刺激が強すぎることがあり、長期使用すると肌のバリア機能を損ねることが報告されています。
- 代替成分: メントールなど(清涼感)、セイヨウニワトコエキスなど(抗炎症・抗菌作用)
防腐剤
- 成分例:メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、ソルビン酸など
- 配合目的や効果: 細菌やカビの増殖を抑えて、製品の保存安定性を高める。
- 敬遠される理由: 一部の防腐剤(特にパラベン類)はアレルギー反応を引き起こしたり、潜在的なホルモン撹乱作用があると疑われています。これにより、消費者の間で健康への懸念が高まっています。
- 代替成分: エチルヘキシルグリセリンなど、より安全性が高いとされる防腐剤
殺菌剤
- 成分例:トリクロサン、クロルヘキシジングルコン酸塩
- 配合目的や効果: 製品内の細菌やカビの成長を抑制し、製品の安全性を高める。防腐剤との違いは、防腐剤が「外部から混入した微生物の増殖を抑えることで製品が傷むのを防ぐ」ものであるのに対し、殺菌剤は「ターゲットとする微生物を短期間で死滅/減少させる」ために使割れることです。
- 参考:防腐剤・殺菌剤 – 読んで美に効く基礎知識/お肌とコスメの科学
- 敬遠される理由: 皮膚への刺激やアレルギー反応を引き起こすリスクがあり、長期的な健康への影響が懸念されています。
- 代替成分: 天然抗菌成分、例えばグレープフルーツシードエキスなど
鉱物油
- 成分例:パラフィン、ミネラルオイル、ワセリンなど
- 配合目的や効果: 非常に優れた保湿剤で、肌を柔らかくし、水分の蒸発を防ぐ。
- 敬遠される理由: 石油由来であることと、1970年代までに精製されていた原料は純度が低く、含まれる不純物が肌への刺激を引き起こすとされていました。現在では高度に精製されているため特に懸念対象ではないと言えます。
- 代替成分: ホホバオイル、シアバター、アルガンオイルなどの植物由来オイル
グリセリン
- 成分例:グリセリン
- 配合目的や効果: 強力な保湿成分で、肌の水分保持を助ける。
- 敬遠される理由: 株式会社サティス製薬の研究報告で、他の保湿剤と比較してニキビの原因菌であるアクネ菌を増殖させやすいとされました。このことから、特に最近になってグリセリンフリーが注目されるようになりました。
- 代替成分: ヒアルロン酸Na、セラミド、1,3-BG(ブチレングリコール)など
合成香料
- 成分例:リナロール、リモネン(これらはもともと天然由来ですが、合成バージョンも存在)など
- 配合目的や効果: 製品に特定の香りを加え、使用感を向上させる。
- 敬遠される理由: 合成香料はアレルギーや皮膚炎を引き起こすことがあり、また、香料に含まれる成分が常に明らかにされていないため、敏感肌の人々には避けられることが多いです。
- 代替成分: エッセンシャルオイルやその他の天然香料
合成着色料
- 成分例:赤色◯号、青色◯号、黄色◯号など。タール色素も合成着色料に含まれます。
- 配合目的や効果: 製品に鮮やかな色を与える。
- 敬遠される理由: 一部の合成着色料にはアレルギー反応を引き起こすとされるものがあるためです。
- 代替成分: 天然の色素、例えばビートルートやクチナシなどの植物由来色素
石油系界面活性剤
- 成分例:ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)など
- 配合目的や効果: 強力な洗浄力と泡立ち
- 敬遠される理由: 皮膚への刺激が強く、環境への負荷が大きいとされているためです。また、長期間の使用は皮膚のバリア機能を損ねると信じられています。
- 代替成分: ココナッツオイル由来の界面活性剤、デシルグルコシド
合成界面活性剤
- 成分例:コカミドディエタノールアミン(コカミドDEA)、コカミドプロピルベタインなど多数
- 配合目的や効果: 製品の洗浄力を高め、汚れを効率的に取り除く。水と油を混ぜて乳液やクリームを作る。
- 敬遠される理由: 皮膚への刺激性が高いとされ、環境に対する影響も懸念されています。しかし、合成界面活性剤は多岐にわたり、化粧品の剤を形作るのに必須となっている場合もあります。特に乳液やクリームなどはなんらかの界面活性剤がないと製造が困難となります。
- 代替成分: ヤシ油由来の界面活性剤、ヤシ脂肪酸グルコシドなど
酸化防止剤
- 成分例:ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)など多数。ビタミンC、ビタミンEなども分類上は酸化防止剤に含まれる。
- 配合目的や効果: 製品の酸化を防ぎ、色や香りの劣化を遅らせる。
- 敬遠される理由: 一部の酸化防止剤には毒性が疑われ、特に敏感肌の人には刺激があるとされます。しかし、栄養素としても知られるビタミンCやビタミンEなども酸化防止剤に該当します。一概に懸念物質とは判断できません。
- 代替成分: ビタミンE、ローズマリーエキス(いずれも酸化防止剤ではあるが、イメージが良いため)
旧表示指定成分
- 成分例:パラベン、ラウレス硫酸◯◯、サリチル酸フェニルなど合計103種類
- 配合目的や効果: 旧表示指定成分にはさまざまな種類の成分が含まれるので、効果は一概に記載できませんが、例えば、保湿、防腐などの効果が挙げられます。
- 敬遠される理由: アレルギー等を起こす可能性のある成分として1980年に厚生省(現厚生労働省)によって指定された103種類の成分です。2001年に表示は廃止され「旧表示指定成分」と呼ばれています。さまざまな種類の成分が含まれ、実質的な安全性はそれぞれに異なります。その後の研究で品質向上、安全性データの蓄積、使用実績から判断して現在も化粧品の成分として汎用的に使用されているものもあります。そのため、現代においては過度な懸念は不要と言えます。
- 代替成分: 成分の効果によって異なりますが、一般的により安全性が高いとされる成分や天然由来成分が選ばれます。
- 参考:化粧品成分オンライン
紫外線吸収剤
- 成分例:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、メトキシケイヒ酸オクチル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジメチル PABA オクチル、パラアミノ安息香酸など
- 配合目的や効果: 紫外線を吸収し、皮膚へのダメージを防ぐ。
- 敬遠される理由: 吸収剤と紫外線が化学反応を起こすことで紫外線を吸収するため、肌が敏感な方や体質によっては刺激となるケースがあるためです。また、最近ではビーチで使用した場合に皮膚から流れ落ちた紫外線吸収剤が原因でサンゴの白化が起きていると言われていることも理由になっています。
- 参考:ユースキン製薬株式会社
- 代替成分: 酸化亜鉛、二酸化チタン(非ナノ粒子)などの紫外線散乱剤
酸化亜鉛
- 成分例:酸化亜鉛
- 配合目的や効果: 紫外線を散乱させ、皮膚へのダメージを防ぐ紫外線散乱剤。おむつかぶれや軽度の炎症を抑える。外部刺激から保護しうるおいを保持する。テカリを防止する。
- 敬遠される理由: 酸化亜鉛が皮脂を固めるとされており、それが毛穴に詰まることでニキビの原因になると信じられています。しかし、酸化亜鉛が皮脂を固める効果は限定的(塊のような硬い物ができるのではなく、柔らかいペースト状になるイメージ)であり、クレンジング、洗顔を行うことで除去が可能です。酸化亜鉛配合のファンデーション等を日中に使うことで余分な皮脂を吸着し、肌の炎症を防ぐ効果もあります。世間で持たれている過度な懸念は不要と言えます。
- 代替成分: 二酸化チタン、紫外線吸収剤
タルク
- 成分例:タルク
- 配合目的や効果: ベースメイク化粧品に配合され、皮膚の過剰な油分や汗を吸収し、サラサラ感を保つために使用される。パウダー製品になめらかさと均一さを与え、塗りやすくする。カバー力を高める。
- 敬遠される理由: 1987年、アメリカ医薬品大手会社を含む数社のベビーパウダーに含まれていたタルクからアスベストが検出されたとして問題視されました。しかし、現在日本国内で流通されているタルクについては高い純度で精製されており、アスベスト混入の懸念は不要と言えます。
- 代替成分: マイカ、シリカ、コーンスターチ
合成ポリマー
- 成分例:ポリクオタニウム-〇〇、ナイロン-〇〇、カルボマー、PEG-〇〇、〇〇ポリマー、〇〇クロスポリマーなど多数
- 配合目的や効果: 適度なとろみをつける、テクスチャーの調整、製品の安定性向上、ヘアトリートメント効果など種類によってさまざまな効果があります。
- 敬遠される理由: 一部の合成ポリマーが常在菌に影響を与える、肌の乾燥を招くと言われ敬遠されています。しかし、化粧品に使用される合成ポリマーには保湿作用があり、使用することで肌のうるおいを保つなどの効果が期待できます。また、一部のポリマーでは生分解性の問題があることも敬遠される理由となっています。
- 代替成分: 天然ガム、セルロース
シリコーン
- 成分例:〇〇メチコン、〇〇シロキサンなど多数
- 配合目的や効果: 肌になめらかな感触を与え、伸びを良くする。ダメージした髪をケアし、きしみを抑えて補修する。ドライヤーの熱から守りツヤを与える。
- 敬遠される理由: 毛穴を塞ぐ、肌呼吸を妨げると信じられており敬遠されがちです。実際には毛穴の中にまで入り込んで詰まらせることは考えづらいですが、洗い残しがある場合に頭皮上に残留することで一時的に毛穴を覆うことが考えられます。頭皮への残留については、一般的な洗髪で頭皮を洗浄することで解決されるため、大きな懸念にはならないと言えます。また、環境への影響があることも敬遠される理由になっています。
- 代替成分: 植物由来のオイル、天然バター
サルフェート(硫酸塩)
- 成分例:ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)など
- 配合目的や効果: 強力な洗浄力と豊かな泡立ち。
- 敬遠される理由: 頭皮や肌への刺激が強く、天然油脂を過度に除去し、乾燥を引き起こすとされています。
- 代替成分: グルコシド類、アミノ酸系洗浄剤
マイクロプラスチック
- 成分例:ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、シリコンなど
- 配合目的や効果: 一般的に、水に溶けない5mm以下のプラスチック粒子が該当します。水生生物や食物連鎖による人体への影響が懸念されること、現時点では環境に放出されたマイクロプラスチックビーズを回収することが困難であることから敬遠されています。ただ、化粧品に含まれるマイクロプラスチックビーズ量は海洋環境中のプラスチック送料の2%未満であるため、実際にどの程度の影響があるかは調査中です。
- 参考:マイクロプラスチックビーズ | 資生堂
- 敬遠される理由: 健康への潜在的なリスクが未解明であり、粒径が非常に小さいことから皮膚や体内への浸透とそれによる影響が懸念されています。
- 代替成分: 非ナノスケールの酸化亜鉛や二酸化チタン、シリカ
ナノ粒子
- 成分例:ナノ酸化亜鉛、ナノ酸化チタン、ナノシリカなど
- 配合目的や効果: 定義は明確ではありませんが、直径1nm〜100nmで人工的に合成された成分がナノ粒子に該当するとされています。日焼け止めやベースメイク化粧品に配合され、紫外線カット効果や、肌を美しくなめらかに見せる効果があります。通常の粒子よりも小さいサイズにナノ粒子化することで、白浮きやきしみのある使用感を防ぎ、透明感があってやわらかな使用感になります。
- 敬遠される理由: 健康への潜在的なリスクが未解明であり、粒径が非常に小さいことから皮膚や体内への浸透とそれによる影響が懸念されています。
- 代替成分: 非ナノスケールの酸化亜鉛や二酸化チタン、シリカ
フタル酸エステル
- 成分例:フタル酸エステル
- 配合目的や効果: マニキュアのひび割れ防止、ヘアスプレーのつまり防止、香料の長時間持続剤。
- 敬遠される理由: 内分泌撹乱作用があり、特に子どもや妊婦に対する健康リスクが懸念されています。
- 代替成分: シトラート系プラスチック剤、天然樹脂
- 参考:フタル酸エステル | 資生堂
DEA(ジエタノールアミン)
- 成分例:DEA(ジエタノールアミン)
- 配合目的や効果: 泡立ちを良くし、製品の感触を改善する。
- 敬遠される理由: 発がん性や皮膚への刺激が疑われるため、特に敏感肌の人々には避けられています。
- 代替成分: ココベタイン、ヤシ油由来の界面活性剤
フリー成分の選び方は?ブランドイメージごとに解説
化粧品をOEMで開発する際にフリー成分に配慮することは、今やマストになっていますが、数多くあるフリー成分の中から何をどう選んだらよいのでしょうか?
必ずしも決まりはありませんが、例えば下記をフリーにすることでブランドイメージとマッチさせる事ができます。
なお、これらのフリー成分は科学的に健康に悪い、環境に悪いことが確認されていないものも含まれます。化粧品製造に必要な成分も含まれており、必ずしもフリーにすればOK、という位置づけではありません。
ただ、マーケティング的には、下記のように訴求することが有効という目線で見ていただければと思います。
界面活性剤のように、それがないと化粧品自体を作れなくなってしまう成分もあるため、メーカーと相談しましょう。
自然派、天然由来のブランドイメージの場合
- 防腐剤
- 殺菌剤
- グリセリン
- 合成香料
- 合成着色料
- 石油系界面活性剤
- 合成界面活性剤
- 紫外線吸収剤
- 合成ポリマー
- シリコーン(ヘアケア)
- サルフェート(ヘアケア)
自然派ブランドの場合は、とにかく化学的なものや人工的なものが敬遠されます。
そのため、合成香料、合成着色料をはじめとした人工的な成分が入っていないことを訴求するのが有効です。
環境に配慮したブランドイメージの場合
- 防腐剤
- 殺菌剤
- 合成香料
- 合成着色料
- 石油系界面活性剤
- 合成界面活性剤
- 紫外線吸収剤(サンゴへの影響配慮)
- 合成ポリマー
- シリコーン
- マイクロプラスチック
- ナノ粒子
海洋や土壌への影響に配慮したイメージ訴求を行う上で、上記の成分をフリーとして訴求するのが有効です。
紫外線吸収剤は、サンゴへの影響に配慮したという文脈で語るとより良いです。
肌に優しい、敏感肌ブランドイメージの場合
- 防腐剤
- 殺菌剤
- グリセリン
- 合成香料
- 合成着色料
- 石油系界面活性剤
- 合成界面活性剤
- 紫外線吸収剤
- 合成ポリマー
- シリコーン(ヘアケア)
- サルフェート(ヘアケア)
敏感肌ブランドの場合は、肌に刺激がありそうな成分を極力避けるのが重要です。
グリセリンは、実質的に大きな懸念のある成分ではありませんが、最近のトレンドを考慮してあえてフリー訴求を行うのも手です。
エシカル、社会的責任を果たすブランドイメージの場合
- 防腐剤
- 殺菌剤
- 合成香料
- 合成着色料
- 石油系界面活性剤
- 合成界面活性剤
- 紫外線吸収剤(サンゴへの影響配慮)
- 合成ポリマー
- シリコーン
- マイクロプラスチック
- ナノ粒子
エシカルブランドの場合も環境配慮と同様、上記のフリー成分を設定するのが有効と言えます。
科学的、サイエンスに基づいたブランドイメージの場合
- 防腐剤
- 殺菌剤
- 合成香料
- 合成着色料
- 紫外線吸収剤
サイエンスに基づいたブランドイメージの場合は、敏感肌や環境配慮のイメージに比べるとフリー成分訴求の効果はやや低いと考えます。
しかし、上記のような成分をフリー成分として訴求することで、安心安全感を伝えることが期待できます。
プレミアム、高級なブランドイメージの場合
- 防腐剤
- 殺菌剤
- グリセリン
- 合成香料
- 合成着色料
- 石油系界面活性剤
- 合成界面活性剤
- 紫外線吸収剤
- 合成ポリマー
- シリコーン(ヘアケア)
- サルフェート(ヘアケア)
- マイクロプラスチック
- ナノ粒子
高級ブランドの場合は、さまざまな観点から配慮をしている姿勢を示すべく、上記のような比較的多めのフリー訴求がおすすめです。
特に、マイクロプラスチックやナノ粒子など最近の動向に乗ったフリー成分は有効であると考えます。
まとめ:フリー成分を知って化粧品OEM開発に活かそう!
この記事では、化粧品における「フリー成分」とその重要性について解説しました。フリー成分とは、特定の成分が意図的に除外された製品を指し、アレルギーや健康への懸念から消費者に選ばれることが多いです。また、フリー成分の選択は、ブランドのイメージを形成し、特定の市場ニーズに応えるためにも重要です。
化粧品のOEM開発を行う際には、これらのフリー成分について正しく理解し、製品に反映させることが、成功への鍵となるでしょう。
引き続き、化粧品開発・販売を行うみなさまのお役に立つ情報を発信していきます!