OEMで勝つ!今後注目の化粧品ジャンル5選┃エイジングケア・バリア機能強化など

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Cosmetics genre with potential for growth

化粧品OEM開発で成功を掴むカギは、成長性の高いジャンルを見極めることにあります。近年、エイジングケアやバリア機能強化など、特定の機能に特化した製品カテゴリーが注目を集めています。

本記事では、現在の市場動向と消費者ニーズの変化を分析し、OEM開発で成功するための戦略的アプローチを探ります。

市場の潜在的なチャンスを見つけ、的確な判断で化粧品OEM開発を進めたい方に向けた、価値ある情報源となるべく記載しています。

  • 「どんなジャンルで展開すべきか」
  • 「これから成長が期待できるジャンルに出品したい」

そう思う事業者の方はぜひチェックして下さい。

成長が期待できる化粧品ジャンル
  • エイジングケア
  • バリア機能強化
  • ナチュラル&オーガニックコスメ
  • 男性向けスキンケア
  • 環境に配慮したサステナブルコスメ
この記事を書いた人

さきりこ

大手メーカー化粧品研究員
開発した商品でベスコス受賞経験のある化粧品のプロ
成分にもとづいた「賢いキレイ」を届けるため、本サイト「myロットコスメ」で情報発信中!
美容のキホン、おすすめ化粧品の紹介をしています。

目次

はじめに:伸びる化粧品ジャンルを選ぶ重要性

化粧品市場に新規参入する際に重要なのは成長が期待できるジャンルを選ぶことです。適切なジャンル選択は、ビジネスの成功率を大きく左右します。ここでは、化粧品ジャンルの定義、主要なジャンル例、そしてジャンル選びが重要である理由について解説します。

    主な化粧品ジャンルは?

    まず、ここでいう「化粧品ジャンル」の階層を整理しておきましょう。

    ここでいう化粧品ジャンルとは、化粧品の種類や目的、機能によって分類されたカテゴリーのことを指します。各ジャンルは、特定の肌の悩みや美容ニーズに対応しており、消費者の多様なニーズに応えるために様々なジャンルが存在しています。

    主な化粧品ジャンルの例
    • エイジングケア:年齢に伴う肌の変化に対応
    • バリア機能強化:肌の保護機能を高める
    • 美白ケア:シミやくすみを改善
    • ニキビケア:ニキビや吹き出物に対応
    • 保湿ケア:乾燥肌を改善
    • メイクアップ:色や質感で外見を整える
    • ヘアケア:髪の美しさを保つ
    • ボディケア:全身の肌をケア

    これらのジャンルは、さらに細分化されることもあります。例えば、エイジングケアの中でも、シワ対策、たるみ対策、ハリ・弾力改善など、より具体的な効果に焦点を当てたサブカテゴリーが存在します。

    また、近年では以下のような新しいジャンルも注目を集めています:

    新しいジャンル
    • ナチュラル&オーガニックコスメ
    • 男性向けスキンケア
    • 環境に配慮したサステナブルコスメ
    • マイクロバイオーム(お肌の菌)ケア

    これらの新興ジャンルは、消費者の価値観の変化や環境意識の高まり、科学技術の進歩などを背景に登場してきました。

    なぜジャンル選びが大切なのか

    化粧品ビジネスにおいて、適切なジャンル選びが重要である理由は以下の通りです:

    ジャンル選びが重要な理由
    • 市場の成長に乗れる:
      • 成長が期待できるジャンルを選ぶことで、ビジネスの拡大チャンスが高まります。
      • 例えば、エイジングケア市場は高齢化社会を背景に着実な成長が見込まれています。
    • 投資効率が良い:
      • かけた費用に対して回収が取れる確度が高まり、結果的に投資効率が良い選択につながることが期待できます。
    • ブランド構築がしやすい:
      • 特定のジャンルに特化することで、そのジャンルにおけるブランド認知度を高めやすくなります。

    化粧品ジャンルの選択は、単に市場トレンドだけでなく、自社の強みや経営資源、長期的なビジョンなども考慮して行う必要があります。また、選択したジャンルに合わせて、製品開発、マーケティング戦略、販売チャネルなどを最適化することが重要です。

    参考:経済産業省「化粧品の製造販売業に係る実態調査報告書」 

    注目の化粧品ジャンル:エイジングケア

    エイジングケア製品は、化粧品市場で大きな注目を集めています。これらの製品は、年齢に伴う肌の変化に対応し、若々しい外見を維持することを目的としています。

    エイジングケア製品の需要は年々増加しており、多くの消費者が自身の肌の健康と若々しさを保つために、これらの製品を求めています。以下では、エイジングケア製品の定義、成長の背景、そして特徴と主要成分について詳しく解説していきます。

    エイジングケア製品とは

    エイジングケア製品とは、年齢とともに現れる肌の変化に対応し、それらの兆候を緩和または予防することを目的とした化粧品のことです。これらの製品は、以下のような肌の悩みに焦点を当てています:

      解決する肌悩み
      • シミ
      • シワ
      • たるみ
      • くすみや色ムラ
      • 乾燥
      • ハリや弾力の低下

      エイジングケア製品は、これらの問題に対処するために特別に開発された成分を含んでおり、肌の若々しさを保つことを目指しています。

      エイジングケア製品の主な剤形
      • 美容液
      • 化粧水
      • 乳液
      • クリーム
      • ローション
      • マスク
      • サプリメント

      これらの製品は、単に年齢を重ねた肌をケアするだけでなく、若い世代の「予防的エイジングケア」としても使用されることが増えています。

      成長が期待できる理由

      エイジングケア市場の成長には、いくつかの要因が関係しています:

      エイジングケア市場の成長要因
      • 高齢化社会の進行
        • 日本の65歳以上人口は全体の29.1%(2021年9月時点)に達しており、高齢者層の増加に伴いエイジングケア製品の需要も拡大しています。
      • 美容意識の高まり
        • SNSの普及により、外見への関心が高まっています。
        • 中年以降男性の美容意識も向上し、市場の拡大につながっています。
      • 技術革新
        • 新しい有効成分の開発や製品の効果を高める技術の進歩により、より効果的な製品が登場しています。
      • 予防的ケアの浸透
        • 若い世代でも早期からのエイジングケアを始める傾向が見られます。
      • ストレス社会
        • 現代のストレスフルな生活が肌の早期老化を引き起こすとの認識が広まり、エイジングケア製品への需要が高まっています。

      これらの要因により、エイジングケア市場は今後も持続的な成長が期待されています。実際に、株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度の国内エイジングケア化粧品市場規模は前年度比3.2%増の4,910億円と推計されており、2026年度には5,533億円に達すると予測されています。

      参考:株式会社矢野経済研究所「アンチエイジング化粧品市場に関する調査(2022年)」 

      特徴と成分

      エイジングケア製品の特徴は、年齢に伴う肌の変化に対応する有効成分を含んでいることです。主な特徴と成分は以下の通りです:

      エイジングケア製品の特徴と成分
      • 保湿力の強化
        • ヒアルロン酸
        • セラミド
        • コラーゲン
      • 抗酸化作用
        • ビタミンC
        • ビタミンE
        • コエンザイムQ10
      • 細胞の再生促進
        • レチノール(ビタミンA誘導体)
        • ペプチド
      • 美白効果
        • ナイアシンアミド
        • アルブチン
      • 肌のハリ・弾力改善
        • エラスチン
        • 加水分解コラーゲン

      これらの成分を組み合わせることで、総合的なエイジングケア効果を実現します。

      要件説明
      対象年齢主に30代後半以上をターゲットとしているが、予防的ケアとして20代向け製品も増加
      訴求効果シミ・シワ・たるみの改善、ハリ・弾力の向上、くすみの改善など
      配合成分上記で挙げた有効成分を複数含む
      使用感リッチな使用感や、素早い浸透性など、年齢層に合わせた特徴
      パッケージング高級感や信頼性を強調したデザイン

      「このような特徴や成分が入っているものがエイジングケア製品として認められる」というルールがあるわけではありません。ただ、消費者にエイジングケア製品として認識してもらうにあたり、上記のような特徴があるとスムーズです。

      エイジングケア製品の開発においては、これらの要素を考慮し、ターゲット層のニーズに合わせた製品設計が重要です。

      注目の化粧品ジャンル:バリア機能強化

      バリア機能強化製品は、近年急速に注目を集めている化粧品ジャンルです。これらの製品は、肌本来の防御機能を高め、外部刺激から肌を守ることを目的としています。環境の変化や生活習慣の多様化に伴い、肌トラブルに悩む人が増加していることから、バリア機能強化製品の需要が高まっています。

      バリア機能強化製品とは

      バリア機能強化製品とは、肌の最外層である角質層の機能を改善し、肌を外部刺激から守る働きを持つ化粧品のことを指します。以下のような肌の悩みに焦点を当てています:

      解決できる肌悩み
      • 乾燥
      • かゆみ
      • 炎症
      • 敏感肌
      • アレルギー反応

      バリア機能強化製品は、これらの問題を予防・改善することを目的としており、主に以下のような製品カテゴリーが含まれます:

      バリア機能強化製品の主な剤形
      • 保湿クリーム
      • 美容液
      • 化粧水
      • 乳液
      • オイル
      • マスク

      これらの製品は、単に表面的な保湿だけでなく、肌の根本的な防御機能を高めることを重視しています。

      成長が期待できる理由

      バリア機能強化製品市場の成長には、以下のような要因が関係しています:

      バリア機能強化製品の成長要因
      • 環境ストレスの増加
        • 大気汚染や紫外線の増加により、肌への負荷が高まっています。
        • 気候変動による急激な温度変化も肌のバリア機能に影響を与えています。
      • 生活習慣の変化
        • マスク着用の日常化により、肌トラブルが増加しています。
        • デジタルデバイスの使用増加によるブルーライトの影響も懸念されています。
      • 健康意識の高まり
        • 予防医学の観点から、肌の健康を重視する消費者が増加しています。
        • スキンケアを通じた総合的な健康管理への関心が高まっています。
      • 科学技術の進歩
        • 肌のバリア機能に関する研究が進み、新たな有効成分や製剤技術が開発されています。
        • マイクロバイオーム研究の進展により、肌の生態系を考慮したアプローチが可能になっています。
      • 美容の多様化
        • 「素肌美」や「ナチュラルメイク」のトレンドにより、肌本来の健康さを追求する消費者が増加しています。

      これらの要因により、バリア機能強化製品市場は今後も持続的な成長が期待されています。株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度の国内スキンケア市場規模は1兆3,680億円と推計されており、その中でもバリア機能に着目した製品は特に注目を集めています。

      参考:株式会社矢野経済研究所「化粧品市場に関する調査(2022年)」 

      特徴と成分

      バリア機能強化製品の特徴は、肌本来の防御機能を高める有効成分を含んでいることです。主な特徴と成分は以下の通りです:

      バリア機能強化製品の特徴と成分
      • 角質層の修復・強化
        • セラミド
        • コレステロール
        • 遊離脂肪酸
      • 保湿力の向上
        • ヒアルロン酸
        • グリセリン
        • スクワラン
      • 抗炎症作用
        • アラントイン
        • パンテノール
        • センテラアジアチカ抽出物
      • 抗酸化作用
        • ビタミンE
        • ナイアシンアミド
        • ポリフェノール
      • 皮膚のpH調整
        • 乳酸
        • アミノ酸
      要件説明
      主な訴求効果バリア機能の強化、乾燥防止、敏感肌対策
      配合成分セラミド、脂質成分、保湿成分を複数含む
      使用感べたつきが少なく、肌になじみやすい
      パッケージング低刺激性を強調したデザイン、衛生的な容器
      対象肌質乾燥肌、敏感肌、混合肌など幅広く対応

      バリア機能強化製品の開発においては、以下の点に注意が必要です:

      注意点
      • 肌への刺激が少ない成分選択
      • 皮膚科学に基づいた製品設計
      • 長期的な使用による効果の実証
      • 個々の肌質や環境に合わせたカスタマイズ機能


      バリア機能強化製品は、単なるトレンドではなく、肌の健康を重視する長期的な市場ニーズに応える重要なカテゴリーです。

      バリア機能強化製品の販売にあたっては消費者教育も重要で、バリア機能の重要性や正しいスキンケア方法について情報提供を行うことで、市場の拡大と製品の信頼性向上につながります。

      その他の成長が期待できる化粧品ジャンル

      エイジングケアとバリア機能強化以外にも、化粧品市場には成長が期待される注目のジャンルがあります。

      その他成長が期待できるジャンル
      • ナチュラル&オーガニックコスメ
      • 男性向けスキンケア
      • 環境に配慮したサステナブルコスメ

      これらのジャンルは、消費者の価値観の変化や社会トレンドを反映しており、今後の化粧品市場において重要な位置を占めると予想されます。OEM開発や新規事業として化粧品市場に参入を検討している方々にとって、有望な選択肢となるでしょう。

      ナチュラル&オーガニックコスメ

      ナチュラル&オーガニックコスメは、自然由来の原料を主に使用し、化学合成成分の使用を最小限に抑えた化粧品のことを指します。このジャンルは、以下のような特徴と成長要因を持っています:

      ナチュラル&オーガニックコスメの特徴
      • 植物由来成分を中心とした処方
      • 合成香料、合成着色料、鉱物油などの不使用
      • 環境への配慮(生分解性の高い原料の使用など)
      • オーガニック認証の取得(一部の製品)
      ナチュラル&オーガニックコスメの成長要因
      • 健康志向の高まり
        • 肌に優しい製品への需要増加
        • アレルギーや敏感肌への対応
      • 環境意識の向上
        • 環境負荷の少ない製品への関心
        • SDGsへの取り組みの一環としての選択
      • 透明性への要求
        • 原料や製造過程の情報開示
        • クリーンビューティーの概念の普及
      • ウェルネストレンド
        • 心身の健康と美容の融合
        • ホリスティックなアプローチへの関心
      ナチュラル&オーガニックコスメの市場動向
      • 株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度の国内オーガニックコスメ市場規模は前年度比3.5%増の1,095億円と推計されています。
      • 2026年度には1,400億円規模に成長すると予測されています。

      参考:株式会社矢野経済研究所「オーガニックコスメの国内市場に関する調査(2022年)」

      • 株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度の国内オーガニックコスメ市場規模は前年度比3.5%増の1,095億円と推計されています。
      • 2026年度には1,400億円規模に成長すると予測されています。

      参考:株式会社矢野経済研究所「オーガニックコスメの国内市場に関する調査(2022年)」

      このジャンルは、消費者の健康意識と環境意識の高まりを背景に、今後も安定した成長が期待できます。

      男性向けスキンケア

      男性向けスキンケア市場は、従来の「男性用化粧品=整髪料・ひげそり後用化粧品」という概念を超えて、総合的なスキンケアへと拡大しています。このジャンルの特徴と成長要因は以下の通りです:

      男性向けスキンケアの特徴
      • 男性特有の肌悩みに対応(オイリー肌、毛穴の目立ち、ひげ剃り後のケアなど)
      • 使いやすさを重視した製品設計(オールインワン製品など)
      • 男性が選びやすい・使いやすいパッケージデザイン
      • 機能性と実用性の強調
      男性向けスキンケアの成長要因
      • 美容意識の変化
        • SNSの影響による外見への関心の高まり
        • 職場でのイメージアップ意識
      • ライフスタイルの多様化
        • リモートワークの普及によるセルフケア需要
        • プライベートでの活動範囲拡大
      • 健康意識の向上
        • スキンケアを通じた総合的な健康管理
        • 肌トラブル予防への関心
      • 製品の多様化と専門化
        • 男性特有のニーズに特化した製品開発
        • 年齢層別のターゲティング
      • 株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度の国内男性化粧品市場規模は前年度比1.9%増の1,418億円と推計されています。
      • 特にスキンケア製品の成長が顕著で、今後も拡大が予想されています。
      製品カテゴリー市場シェア成長率
      洗顔料25%3.5%
      化粧水30%4.2%
      乳液・クリーム20%5.0%
      その他25%2.8%

      参考:株式会社矢野経済研究所「メンズコスメの国内市場に関する調査(2022年)」

      男性向けスキンケア市場は、まだ成長の余地が大きく、今後の展開が期待されるジャンルです。

      環境に配慮したサステナブルコスメ

      サステナブルコスメとは、環境や社会に配慮しながら生産・販売される化粧品のことを指します。このジャンルは、SDGs(持続可能な開発目標)の理念と合致し、今後の化粧品業界の主要トレンドの一つとなることが予想されます。

      サステナブルコスメの特徴
      • 環境負荷の少ない原料や包装材の使用
      • リサイクル可能またはリフィル可能な容器の採用
      • 動物実験を行わない製品開発
      • フェアトレードや持続可能な調達への取り組み
      サステナブルコスメの成長要因
      • 環境意識の高まり
        • プラスチック汚染問題への関心
        • カーボンニュートラルへの取り組み
      • 倫理的消費の広がり
        • エシカル消費の一環としての選択
        • ブランドの社会的責任への注目
      • 法規制の強化
        • プラスチック使用削減の義務化
        • 原料調達の透明性要求
      • テクノロジーの進歩
        • バイオテクノロジーを活用した原料開発
        • リサイクル技術の向上
      • グローバル市場におけるサステナブルビューティー製品の売上は、2021年から2027年までの間に年平均成長率(CAGR)8.3%で成長すると予測されています。
      • 日本市場でも、大手化粧品メーカーを中心にサステナブルコスメへの取り組みが加速しています。
      • サステナブルコスメ市場に参入する際の注意点:
      • 環境負荷の少ない原料や包装材の選定
      • サプライチェーン全体でのサステナビリティの確保
      • 適切な認証取得(エコサート、FSCなど)
      • 消費者への適切な情報開示と教育


      参考:経済産業省「化粧品産業の新展開に関する調査報告書」

      サステナブルコスメは、単なるトレンドではなく、今後の化粧品業界全体のスタンダードになっていく可能性が高いジャンルです。長期的な視点での取り組みが求められます。

      これらの成長ジャンルは、それぞれ独自の特徴と課題を持っていますが、いずれも消費者の価値観の変化や社会的要請を反映しています。OEM開発や新規事業として化粧品市場に参入する際は、これらのジャンルの特性を十分に理解し、自社の強みと合致するものを選択することが重要です。また、複数のジャンルの要素を組み合わせた製品開発も、差別化戦略として有効かもしれません。

      成長ジャンルの化粧品開発で気をつけるポイント

      成長が期待される化粧品ジャンルに参入する際、製品開発だけでなく、ビジネス全体の戦略が重要です。競争の激しい市場で成功を収めるためには、差別化、効果的な広告戦略、そして一貫性のあるコンセプトが不可欠です。以下では、成功のための3つの重要なポイントについて詳しく解説します。

      差別化が必要

      化粧品市場で成功を収めるためには、他社製品との差別化が必要です。差別化の方法としては製品の特徴、ブランドイメージ、価格設定など、様々な側面で展開できます。

      差別化のポイント
      • 独自の技術や成分の開発
        • 特許取得可能な新成分の開発
        • 既存成分の新しい組み合わせや配合比の最適化
      • ターゲット市場の明確化
        • 特定の年齢層や肌質に特化した製品ライン
        • ニッチ市場の開拓(例:男性向けオーガニックスキンケア)
      • パッケージングやデザインの工夫
        • 環境に配慮した素材の使用
        • 使いやすさや携帯性に優れた容器デザイン
      • サービスや体験の提供
        • パーソナライズされたスキンケアプログラム
        • ターゲットに合わせた広告戦略
      差別化ポイント具体例
      成分希少な植物エキスの配合、特許取得済みのペプチド配合
      ターゲット40代以上の乾燥肌に特化、アウトドア愛好家向け
      パッケージング100%リサイクル可能な容器、詰め替えやすい設計
      サービスLINEを活用した肌相談サービス、顧客の声を反映した製品改良

      差別化戦略を立てる際は、市場調査を徹底的に行い、競合他社の動向や消費者ニーズを的確に把握することが重要です。また、自社の強みを活かせる分野で差別化を図ることで、より説得力のある製品開発が可能になります。

      差別化に成功した企業の例として、特定の問題肌に特化した製品ラインを展開し、皮膚科医との共同開発をアピールしたブランドや、環境への配慮を全面に打ち出し、容器のリサイクルプログラムを導入したブランドなどが挙げられます。

      参考:経済産業省「化粧品産業の動向」

      広告戦略を立てる

      化粧品市場での成功には、優れた製品開発だけでなく、効果的な広告戦略が不可欠です。消費者に製品の価値を伝え、購買意欲を喚起するためには、ターゲット層に適したメディアと手法を選択し、一貫性のあるメッセージを発信する必要があります。

      効果的な広告戦略のポイント
      • ターゲット層の明確化
        • 年齢、性別、ライフスタイル、肌の悩みなど
        • ペルソナ(架空の理想的顧客像)の作成
      • 適切なメディアの選択
        • SNS(Instagram、YouTube、TikTokなど)
        • 美容系ウェブメディア
        • 雑誌、テレビ、屋外広告
      • インフルエンサーマーケティングの活用
        • マイクロインフルエンサーとの協業
        • 美容系YouTuberとのタイアップ
      • コンテンツマーケティングの展開
        • 美容tips、ハウツー動画の制作
        • ブログやニュースレターでの情報発信
      • データ分析と改善
        • A/Bテストの実施
        • 広告効果の測定と最適化
      戦略具体的な施策
      SNSマーケティングInstagramでのビフォーアフター投稿、ストーリーズでの使用方法紹介
      インフルエンサー活用皮膚科医によるProduct Review、美容家によるLive配信
      コンテンツマーケティング「肌質別スキンケアルーティーン」のブログ連載、YouTubeでの成分解説動画
      リターゲティング広告商品ページ閲覧者への特典付きリマインドメール


      効果的な広告戦略は、ブランド認知度の向上、顧客獲得、そして売上増加に直結します。しかし、化粧品市場は常に変化しているため、定期的に戦略の見直しと最適化を行うことが重要です。消費者の反応を細かく分析し、時代のトレンドに合わせて柔軟に対応することで、長期的な成功が期待できます。

      コンセプトの一貫性を守る

      化粧品ブランドの成功には、明確で一貫性のあるコンセプトが有効です。コンセプトとは、ブランドの存在意義や価値観、提供する価値を表現したものであり、製品開発からマーケティング、顧客サービスまで、ビジネスのあらゆる側面に反映されるべきものです。

      コンセプトの一貫性を維持するポイント
      • ブランドの核となる価値観の明確化
        • ミッションステートメントの策定
        • ブランドストーリーの構築
      • ビジュアルアイデンティティの統一
        • ロゴ、カラーパレット、フォントの一貫した使用
        • パッケージデザインの統一感
      • トーン&マナーの確立
        • 広告やSNSでの一貫したコミュニケーションスタイル
        • 顧客対応における統一された応対方針
      • 製品ラインナップの戦略的展開
        • コンセプトに沿った製品開発
        • 既存製品とのシナジー効果の創出
      要素施策例
      ブランドストーリー創業者の理念や開発背景をウェブサイトで詳細に紹介
      ビジュアルすべての製品パッケージに共通のデザイン要素を採用
      コミュニケーションSNS投稿や広告で一貫したキーメッセージを使用
      製品開発主要成分や製法の共通化によるブランドの一体感創出
      • 自然由来成分にこだわるブランドが、環境保護活動へ積極的に参加
      • スキンケアに特化していたブランドが、同じ哲学のもとメイクアップ製品を展開

      参考:特許庁「化粧品業界の最新動向と特許出願状況について」

      コンセプトの一貫性を守ることは、短期的には制約となる場合もありますが、長期的にはブランドの信頼性と価値を高める重要な要素となります。市場動向や消費者ニーズの変化に柔軟に対応しつつ、ブランドの核となる価値観を守り続けることが、持続的な成功への道となるでしょう。

      まとめ

      本記事では、今後成長が期待される化粧品ジャンルについて詳しく解説しました。市場動向と消費者ニーズを理解し、適切なジャンル選択と戦略的なアプローチを行うことが、競争の激しい化粧品市場での成功につながります。

      以下に、本記事の重要なポイントをまとめます:

      この記事のまとめ
      • 成長が期待できる主な化粧品ジャンル:エイジングケア、バリア機能強化
      • その他注目のジャンル:ナチュラル&オーガニックコスメ、男性向けスキンケア、サステナブルコスメ
      • ジャンル選びの重要性:市場の成長性、競争環境、技術的優位性を考慮
      • 成功のための戦略:製品の差別化、効果的な広告戦略、一貫性のあるブランドコンセプト
      • 市場動向の把握:消費者ニーズの変化、技術革新、社会トレンドへの対応


      これらのポイントを踏まえ、自社の強みを活かせるジャンルを選択し、独自性のある製品開発と効果的なマーケティング戦略を展開することが重要です。

      引き続き、化粧品OEM開発を行うみなさまのお役に立つ情報を発信していきます!

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      大手メーカー化粧品研究員
      開発した商品でベスコス受賞経験のある化粧品のプロ
      成分にもとづいた「賢いキレイ」を届けるため、本サイト「myロットコスメ」で情報発信中!
      美容のキホン、おすすめ化粧品の紹介をしています。

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