化粧品を開発・販売する際に、どのジャンルを選ぶかは非常に重要です。正しいジャンルを選べば、利益を大きく増やすことができます。このブログでは、化粧品ジャンルの選び方から、それぞれのジャンルの原価率と利益率、そして高利益率が期待できる具体的なジャンルについて詳しく解説します。
さきりこ
大手メーカー化粧品研究員
開発した商品でベスコス受賞経験のある化粧品のプロ
成分にもとづいた「賢いキレイ」を届けるため、本サイト「myロットコスメ」で情報発信中!
美容のキホン、おすすめ化粧品の紹介をしています。
儲かる化粧品ジャンルの選び方
適切なジャンルを選ぶことで、利益を最大化し、ビジネスの成長を促進できます。このセクションでは、儲かる化粧品ジャンルの重要性と、ジャンル選定の基本原則、そしてビジネスモデルに合ったジャンルの見極め方について詳しく解説します。
主な化粧品ジャンル一覧
そもそも化粧品にはどのようなジャンルがあるか、下記の表にまとめます。
ジャンル | 具体例 |
---|---|
スキンケア | 化粧水、乳液、美容液、クリーム、石鹸、クレンジング |
ヘアケア | シャンプー、トリートメント、ヘアワックス、ヘアオイル、整髪料 |
メイクアップ | ファンデーション、口紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー |
ボディケア | ボディソープ、ボディクリーム、マッサージジェル、ハンドソープ |
フレグランス | 香水、コロン |
スキンケアやメイクアップなどは化粧品としての印象が強くイメージしやすいかもしれませんが、実はシャンプーなどのヘアケアや香水などのフレグランスも化粧品に分類されます。
儲かる化粧品ジャンルを選ぶべき理由
儲かる化粧品ジャンルを選ぶことは、ビジネスの成否を左右する重要な要素です。
「昔からやりたいと思っていたから」
「なんかおしゃれだから」
このような理由だけでジャンルを決めるのはおすすめできません。
あまり儲からない製品ジャンルを選んでしまうと、お金が回らなくなり、結局はビジネスを続けられなくなってしまうためです。
- 同じ労力でも儲かり方が違うため
- 長くビジネスを続けるため
- 次の商品開発につなげるため
しっかりと利益の出る製品ジャンルを選ぶことで、同じ労力でも儲かり方に大きな差が出ます。
長くビジネスを続け、その先の新たな商品開発やブランド育成のためにも、ジャンル選びは慎重に行う必要があります。
ジャンル選定の基本原則
化粧品ジャンルを選定する際には、いくつかの基本原則を押さえることが重要です。以下のテーブルに、選定時に考慮すべき主要な要素をまとめました。
基本原則 | 説明 |
---|---|
市場規模 | 大きな市場規模を持つジャンルは、多くの顧客をターゲットにできるため、売上が期待できます。 |
競争状況 | 競争が激しいジャンルは、差別化が難しくなるため、適度な競争状況のジャンルを選ぶことが重要です。 |
利益率 | 高利益率のジャンルは、売上が直接的に利益に反映されるため、ビジネスの成長を促進します。 |
トレンドの把握 | トレンドに敏感なジャンルは、時代の変化に合わせて製品を改良する必要があります。トレンドをうまく捉えることで、成功の確率が高まります。 |
自社の強みとの一致 | 自社が持つ強みや技術を活かせるジャンルを選ぶことで、他社と差別化しやすくなります。 |
これらの要素を総合的に考慮し、最適なジャンルを選定することが求められます。
ビジネスモデルに合ったジャンルの見極め方
ビジネスモデルに合ったジャンルを選ぶことは、成功の鍵です。ここでは、いくつかのポイントを箇条書きで示します。
- 製品の製造コスト: 製造コストが低いジャンルを選ぶことで、利益率を高めることができます。
- 販売チャネル: 自社の販売チャネルに適したジャンルを選ぶことが重要です。例えば、オンライン販売が主流であれば、パッケージの重要性が高まります。
- 顧客層の分析: ターゲットとなる顧客層に合ったジャンルを選ぶことで、製品の売上を伸ばすことができます。
- ブランド戦略: ブランドの方向性に一致したジャンルを選ぶことで、ブランド価値を高めることができます。
これらのポイントを踏まえ、自社のビジネスモデルに最適な化粧品ジャンルを見極めることが成功のカギとなります。具体的な市場調査や分析を行い、選定していきましょう。
儲かる化粧品を作るならスキンケア一択
実際のところ、儲かる化粧品ジャンルの答えは出ています。
儲かる化粧品ジャンルは「スキンケア」です。
メイクアップ、ヘアケア、ボディケア、フレグランスなどの化粧品ジャンルの中で、なぜスキンケアが儲かる化粧品なのか、その理由を解説します。
理由1:市場規模が大きい
「化粧品業界は”水商売”」
こんなことが業界内でよく言われます。
これは、夜のお店にかけた表現ですが、化粧品業界の利益構造を反映しています。
化粧品業界の売上構成比は次の通り。
出典:株式会社矢野経済研究所
化粧品業界において構成比の約半数はスキンケア。
その中でも「化粧水」が最も高い構成比を占めているため、化粧”水”を売ることで利益を得ている側面が強いです。そのため、「化粧品業界は”水商売”」と呼ばれるのです。
このように、市場規模が最も大きいのはスキンケアです。
スキンケアの中で「化粧水」にまで絞る必要はありませんが、勝負する市場のパイは大きいほうが安心です。
なぜなら、あなたがこれから開発する商品のお客さん候補がたくさんいるためです。
人気の商品になった場合にも、母数が大きいため、利益も最大化されることが期待できます。
理由2:製造コストが安い
化粧品の製品ジャンルの中で、スキンケア化粧品は製造コストが安い傾向にあります。
化粧品ジャンル | 製造コスト(参考値) |
---|---|
スキンケア | 10万円〜 |
ヘアケア | 30万円〜 |
メイクアップ | 25万円〜 |
参考:OEMプロ
スキンケアの製造コストが安い理由は、
- 容器がシンプル
- 原材料の大部分が水
- 製造プロセスがシンプル
スキンケア化粧品の容器は一般的にシンプルで、低コストな傾向があります。容器代は全体コストの中でも大きなウェイトになることが多いので、容器コストが抑えられると利益が圧迫されずに済みます。
また、スキンケア化粧品の多くは水が主成分です。水は安価で手に入るため、全体の製造コストを抑える事ができます。
スキンケア化粧品の製造プロセスは比較的シンプルなことが多いです。特別な設備が必要なく、他の製品と同じ工程で作れる場合が多いため、追加の設備費が削減できます。
これらの理由から、スキンケア化粧品は他の化粧品ジャンルに比べて製造コストが低く、高い利益率を実現しやすいです。
理由3:リピート率が高い
スキンケア化粧品は、リピート率が高いです。
つまり、1人のお客さんが繰り返し同じ商品を買ってくれるということです。
お客さんの多くは、肌を整えるには時間がかかることを知っているので長期的に試してくれます。
使用感が合うものは、数十年にわたってリピートしてくれる場合もあります。
一方、例えば整髪料やメイクアップ化粧品のリピート率は低い傾向にあります。
その理由は、トレンドに左右されることや、嗜好性が強く好みが移り変わっていくためです。
気に入った商品が見つかったとしても、一定期間後には他社の商品に移ってしまう、ということがザラにあります。
女性の方で、「使い切れなかったメイクアップ化粧品が家にたくさんある」という方も多いのではないでしょうか?
ビジネスを安定的に続けていくには、高いリピート率が重要ポイントの一つです。
スキンケア化粧品のようにリピート率が高いジャンルを選んで、お客さんに気に入ってもらえれば、新しく広告宣伝費をかけなくてもずっと買い続けてくれる可能性があります。
スキンケア化粧品の中でも高利益が期待できるのは?
ひとことにスキンケア化粧品と言っても、たくさんの製品例があります。
化粧水、乳液、美容液、クリーム、石鹸、クレンジングなど。
では、化粧品をOEMで開発するにあたり、スキンケア化粧品の中でもどの製品を選ぶべきなのでしょうか?
期待できる製品例を解説します。
エイジングケア製品
エイジングケア製品とは、年齢肌のお手入れを行う化粧品のことです。30代後半〜60代をターゲットにした、抗老化や若々しさを保つことを目的とした製品です。
最近のエイジングケア市場は、コロナ禍で一時的に落ち込んだものの、基本的には右肩上がりです。
今後、エイジングケア化粧品のターゲットとなる人口は増えていきます。
また、昔に比べて「年齢を重ねてもきれいでいたい」という意識が高まっていることもあり、今後も伸びていくことが期待されるジャンルです。
エイジングケア化粧品のターゲットは、シミ、シワ、たるみなど悩みが深刻なのも特徴で、解決するためにはたくさんのお金を払っても良い、と考えている人が多いのも特徴です。
そのため、比較的高価格な商品でも売れやすい傾向にあります。
化粧水、乳液、美容液、クリームなどあらゆる製品がエイジングケア化粧品として開発可能なのも良いポイントです。
このように、市場規模、高価格に設定しやすく利益が取りやすい、製品展開の幅が広い、という観点からエイジングケア製品がおすすめです。
美白・ブライトニング製品
美白・ブライトニング製品もおすすめの一つです。
最近は美容医療のレーザー治療などでシミ・くすみ取りをする人も増えてきましたが、それでも日常的なケアとして美白化粧品を使いたいというニーズは常にあります。
美白・ブライトニングも、エイジングと同様、悩みが深刻です。
シミが一つあるだけで、老けた印象を抱かせてしまうためです。全体的にくすんだ肌は、それだけで見た目年齢を+5〜10歳引き上げてしまいます。
そのため、美白化粧品もお金が動きやすい製品の一つです。つまり、高いお金を払ってもケアを行いたい人がいるため、高い利益率を得ることが期待できます。
美白・ブライトニング化粧品を作る場合、医薬部外品(薬用化粧品)として開発すると、ダイレクトに「美白」訴求ができます。
一方、一般化粧品として開発した場合は「美白」や「ブライトニング」「ホワイトニング」など美白系の訴求は一切できないことに注意が必要です。
保湿製品
「保湿はスキンケアの基本」と言われるほど、保湿製品の重要性に注目が集まっています。
保湿化粧品は幅広いターゲットにおすすめできることに加え、製造コストを抑えやすいという特徴があります。
一般的な化粧品に使われる保湿成分は安価なものが多く、よほど特殊な成分を入れない限りは製造工程や容器も既存のものを転用したシンプルなものであることが多いです。
ただ、ベーシックな製品であるためにライバルが多い特徴もあります。製品化にあたっては、「これはうちでしかできない」「〇〇な人に最適な保湿化粧品です」など差別化できるポイントは考えておく必要があることを念頭においておきましょう。
スペシャルケア(マスク、セラムなど)
毎日ではなく、週に◯回などスペシャルケアとして使う化粧品も人気です。
例えば次のような製品です。
- シートマスク
- 美容液
- アイケアクリーム
- まつ毛美容液
- 酵素洗顔
- ボディスクラブ
定期的なメンテナンス目的や、疲れたときの癒やしとしてなど、さまざまなニーズがあります。
特別なケアアイテムとして売り出すことで、高価格帯に設定しやすいというメリットもあります。
高機能な成分やトレンド成分と組み合わせることで話題性をつかみ、積極的に広告を打ち出していくことが成功につながります。
サステナブル視点の製品
サステナブルやSDGsへの意識が高まっているのは言うまでもないことだと思います。
化粧品にもこの流れは来ていて、例えば次のような製品や取り組みが注目されています。
- 生分解性のある包装容器
- 化粧品ボトルの再利用
- 化粧品原料のアップサイクル
- 捨てられる食材を化粧品原料に
- よりロスの少ない製造フロー
- 障がい者人材による化粧品製造
環境や人権、倫理観を守ることを重視した化粧品は、サステナブルなものを使いたい、という意識のお客さんに刺さります。
化粧品の効能効果に加えて、サステナブルな観点も一緒に訴求することで他社と差別化し、商品の魅力をより際立たせることができます。
化粧品OEMメーカーの中には、サステナブル観点の原料(捨てられる食材からのアップサイクル化粧品原料)が扱えるところもあるので、問い合わせてみると良いでしょう。
スキンケア以外の化粧品ジャンルは儲からない?
「スキンケアが儲かるのはわかったけど、どうしてもそれ以外の化粧品が作りたい」
そう感じている方に向けて、他の化粧品ジャンルについても解説します。
結論、シャンプーなどのヘアケア製品はありだと思います。また、フェムケアなどトレンドに乗ることでブランドの特徴を出し、成功している場合もあります。
一方、メイクアップ化粧品は難しいため避けるのが無難と言えます。
ヘアケアはあり
化粧品ジャンルの中でも、スキンケア化粧品の次におすすめできるのがヘアケア製品です。
ヘアケア製品は、化粧品全体の中でも約2〜3割を占める市場規模です。
シャンプーやトリートメントなどのヘアケア製品は、日常的に使用される必需品です。多くの人が毎日使うため、リピート率が高いのが特徴です。また、スキンケア製品と同様に、原価を抑えやすいという利点があります。
ヘアケア製品の魅力は、ターゲット層の幅広さにもあります。年齢や性別を問わず使用されるため、マーケティングの幅が広がります。例えば、若い世代向けのカラーケア製品や、中高年向けのボリュームアップシャンプーなど、細分化された需要に応えることができます。
ただ、ここで言うヘアケア製品とは、シャンプー、トリートメント、頭皮ケアなどのケア系の商品です。
ヘアワックス、ヘアオイル、ヘアスプレーなどの整髪料はトレンドに左右されることもあり、あまりおすすめできません。ヘアスプレーなどはエアゾール製品であり、危険物に該当することもあるため製造、保管、流通も難しくなります。
フェムケアなどトレンドに乗る方法も
最近注目を集めているのが、フェムケア(女性のデリケートゾーンケア)製品です。この分野は、まだ競合が少なく、ブルーオーシャン市場と言えます。女性の健康意識の高まりとともに需要が増加しており、成長が期待できる分野です。
フェムケア製品の利点は、専門性の高さです。一般的な化粧品とは異なる独自の市場を形成しているため、ブランドの特徴を出しやすいのが特徴です。また、デリケートな製品であるため、信頼性が重視され、一度顧客の信頼を得られれば長期的な関係を築きやすいでしょう。
フェムケア市場の特徴:
特徴 | 説明 |
---|---|
成長市場 | 女性の健康意識の高まりにより、需要が増加中 |
競合が少ない | 大手ブランドの参入が少なく、新規参入の余地がある |
高い利益率 | 専門性の高さから、適正な価格設定が可能 |
リピート率が高い | 継続的に使用する製品が多く、安定した需要がある |
ブランドロイヤリティ | 信頼できるブランドへの顧客の忠誠度が高い |
- デリケートゾーン用ウォッシュ
- 生理用ソープ
- 膣ケアジェル
- デリケートゾーン用保湿クリーム
- 産後ケアオイル
- 生理用アロマオイル
- インナーケアサプリメント
- 使い捨てタイプのデリケートゾーン用シート
これらの製品は、女性の生理周期やライフステージに合わせて使用されるため、幅広い製品ラインナップを展開できる可能性があります。また、オーガニックや自然由来成分を使用した製品など、差別化を図ることも可能です。
フェムケア市場に参入する際は、女性の健康や衛生に関する正確な知識が不可欠です。専門家との連携や、徹底した市場調査を行うことで、顧客のニーズに合った安全で効果的な製品を開発することができるでしょう。
メイクアップ化粧品は難しい
一方で、口紅やファンデーションなどのメイクアップ化粧品は、新規参入者にとっては難しい分野です。一見、華やかで魅力的に見えるかもしれませんが、参入はおすすめしません。その理由をいくつか挙げてみましょう。
- 競合が多い:大手ブランドがすでに市場を占有しており、新規参入の余地が少ないです。
- トレンドの変化が激しい:メイクアップの流行は短期間で変わるため、製品開発や在庫管理が難しくなります。
- 色の種類が多い:同じ製品でも多くの色展開が必要となり、在庫リスクが高くなります。
- 原価率が高い:品質の高い顔料や容器が必要なため、原価を抑えにくいです。
- 使用頻度が低い:スキンケアやヘアケア製品に比べ、1つの製品を使い切るまでの期間が長く、リピート率が低くなりがちです。
これらの理由から、メイクアップ化粧品は新規参入者にとってはリスクが高いと言えます。スキンケアやヘアケア製品など、より参入障壁の低い分野から始めることをおすすめします。
作るだけでなく売る工夫も重要
化粧品ビジネスで成功するには、優れた製品を作るだけでなく、効果的な販売戦略が不可欠です。市場は競争が激しく、消費者の目を引き、信頼を得ることが重要です。そのためには、ターゲット層を明確にし、製品の特徴や利点を適切に伝える必要があります。また、法規制にも注意を払いながら、マーケティング活動を展開することが求められます。以下では、化粧品の販売戦略において重要な要素を詳しく見ていきましょう。
化粧品業界は広告にお金をかける
化粧品業界では、広告宣伝費の占める割合が他の業界と比べて高いのが特徴です。一般的な化粧品販売業者の場合、売上高の約15〜20%を広告宣伝費に充てています。これは、大手企業でも例外ではありません。
例えば、売上高に対する広告宣伝費の割合
- 資生堂 23.4%
- コーセー 20.1%
出典:毎日新聞
化粧品業界の大手企業では、売上高の20%以上を広告宣伝費に投じているケースも珍しくありません。一方、中小企業や新規参入者の場合でも、最低でも売上高の10%程度は広告宣伝に使う必要があると言われています(出典:日本化粧品工業会)
このように多額の費用を広告に投資する理由は、効果的な広告戦略が、ブランド認知度を高め、売上を伸ばすために欠かせないからです。
- ビジュアル重視:美しさや効果を視覚的に訴える
- 感情に訴えかける:憧れや自信を感じさせる広告表現
- セレブリティの起用:有名人の影響力を活用
- SNSマーケティング:インフルエンサーとのコラボレーション
- サンプリング:試供品の配布で製品体験を促進
- 季節性:季節に合わせた商品プロモーション
- 科学的アプローチ:研究結果や成分の効果を強調
これらの戦略を組み合わせることで、消費者の心を掴み、購買意欲を高めることが期待できます。
限られた予算でも、ターゲットを絞った戦略的な広告展開により、効果的なプロモーション活動を行うことができます。
訴求すべきこと3つ
化粧品の販売戦略において、効果的に訴求すべき3つの要素があります。これらを明確に定義し、一貫性を持って伝えることで、消費者の心に響くメッセージを届けることができます。
訴求ポイント | 内容 | 重要性 |
---|---|---|
ターゲット | 製品の対象となる具体的な顧客層 | 顧客ニーズに合致した製品開発と販促 |
機能 | 製品が持つ具体的な効果や特徴 | 競合製品との差別化 |
ベネフィット | 顧客が得られる具体的な利益や満足 | 購買動機の強化 |
これらの要素を明確にすることで、製品の魅力を効果的に伝え、ターゲット顧客の心を掴むことができます。例えば、「30代の働く女性向けの、シミを防ぐ美白美容液で、透明感のある肌を手に入れられる」というように、3つの要素を組み合わせてメッセージを構築します。
薬機法がネックになる
化粧品の広告は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)による規制が大きな課題となります。この法律は、消費者保護の観点から、化粧品の広告表現に厳しい制限を設けています。
- 医薬品的な効能効果の標榜禁止
- 承認を受けていない効能効果の表現禁止
- 事実誇張や誤認させる表現の禁止
- 比較広告の制限
- 医師や薬剤師などの推奨の禁止
- 安全性の保証表現の禁止
これらの規制を遵守しながら、製品の魅力を伝えることが求められます。
ただ、難しいのは「このガイドブックを読んだら全部OK!」という全書的なものがないことです。
化粧品の表現は非常に多彩で、ガイドブックに書ききれないのです。
その中で訴求を行うには、専門的な知識と経験が必要です。
ご自身で習得されるのも一つですが、お困りの際は専門家に依頼するのも手です。
まとめ – 儲かる化粧品ジャンルを選ぼう
化粧品ビジネスで成功するためには、適切なジャンルを選ぶことが非常に重要です。これまでの内容を整理すると、以下のポイントが重要です:
- スキンケアが最も儲かる化粧品ジャンル
- 市場規模が大きい
- 製造コストが比較的安い
- リピート率が高い
- スキンケアの中でも特に期待できる製品
- エイジングケア製品
- 美白・ブライトニング製品
- 保湿製品
- スペシャルケア(マスク、セラムなど)
- サステナブル視点の製品
- ヘアケア製品も有望な選択肢
- メイクアップ化粧品は参入が難しいため、避けるのが賢明
- 効果的な販売戦略も重要
- 広告宣伝費の適切な配分(売上高の10-20%程度)
- ターゲット、機能、ベネフィットの明確な訴求
- 薬機法に配慮した適切な広告表現
化粧品ビジネスを始める際は、市場のニーズと自社の強みを見極め、利益率の高いジャンルを選択することが成功への近道です。特にスキンケア製品は、大きな市場規模と高いリピート率から、新規参入者にとって魅力的な選択肢となります。ただし、どのジャンルを選んでも、効果的なマーケティング戦略と法規制への適切な対応が不可欠です。慎重に計画を立て、顧客のニーズに応える製品開発を心がけることで、成功への可能性が高まるでしょう。
引き続き、化粧品開発・販売を行うみなさまのお役に立つ情報を発信していきます。