美容業界では新しい成分が次々と登場しています。最近の消費者は、化粧品成分で製品を選ぶという人が増えているため、「どんな成分が入っているのか?」という点が製品の人気を左右する大きなポイントになります。
「でも、いろいろ業務があるから最新トレンドなんて追ってられない…」
「成分の説明は難しくてわからない」
化粧品開発・販売に携わる方の中にはそう思われている方もいらっしゃいます。
そこで今回は、化粧品開発や販売に携わる方々向けに、特に注目を集めている成分をピックアップしわかりやすくまとめました。
- 今さら聞けないトレンド成分が知れる
- ライバルに差をつけ一歩先を行ける
- ニーズにマッチした商品が作れる・売れる
化粧品開発・販売に携わる方はぜひチェックして下さい。
(一部、PRが含まれる場合があります。)
さきりこ
大手メーカー化粧品研究員
開発した商品でベスコス受賞経験のある化粧品のプロ
成分にもとづいた「賢いキレイ」を届けるため、本サイト「myロットコスメ」で情報発信中!
美容のキホン、おすすめ化粧品の紹介をしています。
トレンド成分が人気の理由は?
トレンド成分には、次の2パターンがあります。
- 最新成分
- 前からある成分で話題になった
これらが人気・話題になるのには次のような理由があります。
- テクノロジーが進歩した
- 安全性や自然志向の高まり
- 有名人やインフルエンサーに紹介された
- 雑誌で取り上げられた
- 企業のマーケティング
これらの理由から、セラミドやビタミンC誘導体など昔から知られている成分に再び注目が集まったり、初めて聞く名前の成分が出てきたりします。
では、近年ではどのような成分が話題になったのか具体的に見ていきましょう。
トレンド美容成分13選
- セラミド
- ビタミンC誘導体
- ビタミンE
- CICA(シカ)
- グリチルリチン酸2K
- ナイアシンアミド
- レチノール
- バクチオール
- アゼライン酸
- CBD
- リポソーム
- エクソソーム
- 成長因子EGF
1、セラミド
効果 | バリア機能強化、保湿 |
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ターゲット | 敏感肌、肌が弱い人、荒れやすい人、ナチュラルケア志向の人 |
セラミドは私たちの肌にもともと存在する成分で、外部からの刺激を防ぎ、うるおいをキープする役割があります。これにより、肌はしっとりと保湿され、外部環境によるダメージから守られます。セラミドは特に乾燥肌や敏感肌の人におすすめの成分です。
「肌にもともと存在する」「肌本来の力」などの訴求ができるため、ナチュラル志向の人向けブランドに向いています。
注意点としては、セラミドを高濃度配合するとコストが増大する点です。効果とコストのバランスを考慮することが重要です。
2、ビタミンC誘導体
効果 | 肌の明るさ向上、抗酸化、コラーゲン生成促進 |
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ターゲット | 肌のくすみやシミが気になる人、アンチエイジングを求める人 |
ビタミンC誘導体は、ビタミンCをより安定化した成分で、肌に吸収されやすく、長持ちする特性があります。肌の明るさを向上させ、メラニンの生成を抑制してシミやそばかすを予防する効果があります。また、抗酸化作用により、肌の老化防止効果も。
肌のトーンアップが期待できるので、エイジングケア化粧品におすすめです。
シミ、くすみ、そばかすなどが気になる30代以降の人や、20代でも早いうちからケアしておきたい、という人に人気です。
注意点としては、ビタミンCよりも安定化されているとはいえ、光や熱に敏感である点です。日光の当たる場所や高温になる場所に置かないよう、コミュニケーションをとる必要があります。
3、ビタミンE
効果 | 抗酸化、紫外線保護、保湿 |
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ターゲット | 全年齢層で、特に肌の老化を気にする人 |
ビタミンEは強力な抗酸化剤で、肌の細胞が損傷するのを防ぐ効果があります。また、肌の保湿を促進し、紫外線や外部環境からのストレスに対する防御力を高めることで知られています。
さらに、ビタミンCと組み合わせることで、効果をさらに強化することができます。
注意点としては、酸化しやすいため変色や変質が起こりやすい点です。
ビタミンC誘導体と同じように、日光の当たる場所や高温になる場所に置かないよう、コミュニケーションをとる必要があります。また、開封した化粧品は早めに使い切ってもらうよう推奨しましょう。
4、CICA(シカ)
効果 | 肌の修復促進、鎮静、抗炎症 |
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ターゲット | 敏感肌や肌荒れが頻繁な人、ストレスが多い環境にある人 |
CICAは韓国コスメ発の天然成分です。肌の修復と鎮静効果があり、特に肌の赤みや炎症を抑える製品に適しています。
肌トラブルを抱える顧客やストレスを感じている現代人に向けた製品開発に役立ちます。
「肌荒れを防ぐ」「敏感肌にお使いいただけます」といった訴求が可能です。
注意点としては、天然成分のため、品質がバッチによって変動する可能性があります。
5、グリチルリチン酸2K
効果 | 抗炎症、鎮静、抗アレルギー |
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ターゲット | 敏感肌やアレルギー体質の人、肌の赤みや炎症が頻繁に発生する人 |
グリチルリチン酸2Kは薬草として親しまれる甘草(カンゾウ)から抽出される成分で、強力な抗炎症効果を持ちます。これにより、肌の赤みや刺激をおさえ、アレルギーや肌荒れ改善に効果的です。敏感肌や炎症を起こしやすい肌のケアにおすすめです。
「肌荒れ防止成分配合」などと訴求することができます。名前はケミカル感がありますが、薬草から抽出された成分ということで、天然植物由来原料と表現できます。
注意点としては、こちらも天然成分のため、品質がバッチによって変動する可能性があります。
6、ナイアシンアミド
効果 | 肌のトーン改善、保湿、皮脂分泌調整 |
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ターゲット | 皮脂過多や肌のくすみ、老化が気になる人 |
ナイアシンアミドはビタミンB3の一つで、数年前から話題になっています。
肌のバリア機能を強化し、皮脂分泌を調節することで肌を健やかに保ちます。
また、肌のトーンを均一にし、くすみを減少させる効果も。
エイジングケア効果も期待でき、シワを改善する効果も報告されています。
保湿、すこやかさ、ハリ・ツヤなど多くの効果があるため、全般的なエイジングケア効果を訴求できます。
注意点としては、人によっては肌に刺激を感じる可能性がある点です。まずは少量からお試しを推奨するなどコミュニケーションを取るのが良いでしょう。
7、レチノール類
効果 | 細胞再生促進、抗老化、肌の質感改善 |
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ターゲット | 老化の兆候が見え始めた中年層以上、若いうちから老化防止をしたい20代 |
レチノールも数年前から話題になっている成分。ビタミンAの一種で、細胞の再生を促進し、肌の若返りに効果的です。保湿、シワ改善、トーンアップなどさまざまな効果が期待できます。
より安定化した成分や、刺激を抑えた成分が数多く出回っています。
知名度も上がってきたため、レチノール類が入っていたら買う、という人もいます。
細胞の再生促進など、直接的な効果は薬機法上訴求できないのが残念ですが、内側からの肌質改善という文脈で訴えかけることができます。
注意点としては、刺激が強いため使用初期は肌の赤みやピリピリ感が出ることもあり、使用量を調節しながら慎重に使用することが必要な点です。
あらかじめお客さまに伝えるようにしましょう。
8、バクチオール
効果 | 肌の再生促進、抗炎症、抗老化 |
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ターゲット | レチノールで刺激が出た人、敏感肌でもエイジングケアしたい人 |
バクチオールは、「次世代レチノール」の一つと言われる成分。
レチノールの植物由来の代替品として注目されており、肌の再生を促進し、しわや細かな線の改善に効果的です。レチノールのようなエイジングケアの利点を提供しつつ、肌への刺激が少ないため、敏感肌の人でも使用しやすいのが特徴です。
レチノールで刺激が出てしまった人、肌に合わなかった人に訴求することで、新規顧客の獲得が望めます。
注意点としては、効果の実感には時間がかかることがあり、長期間使う必要があることです。
すぐに効果が求められる傾向にある中ですが、長く続けることで本質的なケアができる、ということを丁寧に伝えるのが良いでしょう。
9、アゼライン酸
効果 | ニキビ改善、抗菌、色素沈着改善、皮脂調整、赤み防止 |
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ターゲット | ニキビや肌の赤みに悩む人 |
アゼライン酸は抗菌性と抗炎症性を持ち、ニキビの治療にも使われます。また、色素沈着を減少させる効果もあり、肌のトーンを均一にするためにも使用されます。シミやくすみが気になる人にも好評。
脂性肌の人をターゲットとした商品に向いています。過剰な皮脂分泌をコントロールし、ニキビを防ぐことを訴えかけることができます。(薬用化粧品でない場合、「ニキビを防ぐ」「ニキビに」という直接的な表現はできません。代替表現が必要になります)
注意点としては、アゼライン酸を塗った部分が日光に当たると刺激になる点です。夜用のスキンケアアイテムとしておすすめするか、日焼け止めとの併用を推奨しましょう。
10、CBD(カンナビジオール)
効果 | 鎮静、抗炎症、抗酸化 |
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ターゲット | ストレスが原因の肌トラブルを抱える人、敏感肌 |
大麻から抽出された鎮静効果のある成分で、肌の炎症を抑える効果があります。大麻、と聞くと違法なのでは?と感じるかも知れませんが、法律上の大麻には当たらないとされ、食品や化粧品への配合も違法となりません。
抗酸化作用により肌を健康に保つ助けとなり、ストレスや環境因子からの保護に役立ちます。
ヒーリングやリラックスをイメージとしたブランドとの相性が良く、癒やし効果の訴求が効果的です。(薬機法上、代替表現が必要となります。)
注意点としては、法規制が国によって異なるため、市場に出す前に確認する必要がある点です。
11、リポソーム
効果 | 成分の安定性向上、深部への成分配送効率化 |
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ターゲット | 高機能化粧品を求める方、特定の肌悩みがある人、高所得者層 |
リポソームは有効成分を肌の深層に届けるために使用される小さなナノキャリアです。これにより、成分の効果が向上し、持続時間が延長されるため、特にターゲットとする肌の問題に対して効果的に作用します。アンチエイジングや特定の肌悩みに対応する製品に利用されます。
注意点としては、製造コストが高くなるため、価格設定に影響を与える可能性があります。
12、エクソソーム
効果 | 細胞間コミュニケーション促進、組織再生サポート |
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ターゲット | エイジングケアを求める30〜50代、高度なスキンケアを求める人 |
エクソソームは細胞どうしのコミュニケーションを促進する小さな粒子で、肌の再生や修復を助けます。特にエイジングケアや肌の損傷修復を目的とした高価格帯の製品に使用されることが多いです。ハリ・ツヤ、肌色改善、うるおい、整肌など、さまざまな効果を訴求できます。
高機能な成分が入っていることをアピールでき、肌本来の力にはたらきかけるエイジングケアを望む高所得者層に人気です。
注意点としては、高価な成分であり、製品のコストが高くなるため、ターゲット市場の選定が重要であることです。
13、成長因子EGF
効果 | 細胞増殖促進、傷の修復、抗老化 |
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ターゲット | 肌の老化やダメージが進んだ人、迅速な肌修復を求める人 |
EGFは近年流行中の幹細胞関連の成分です。
細胞の成長を促進するタンパク質で、肌の自然な修復プロセスを強化し、新しい肌細胞の成長を刺激します。これにより、肌の若返りや修復が促進され、シワや傷の改善に寄与します。特に老化防止やダメージリペアを目指す製品に向いています。
薬機法上、「肌細胞の成長」などは訴求できないのですが、「成長因子」という言葉はNGとは言えません。成長因子という言葉が持つイメージで、再生医療のような効果を連想させることが可能です。
注意点としては、高価であることと、オーバーユースは肌に負担をかける可能性があるため、使用量をしっかり伝える必要がある点です。
話題の化粧品成分を知っておきましょう
美容/化粧品業界は常に進化していて、新しい成分が次々と登場しています。今回紹介した成分は、その効果やイメージから注目されており、すでに多くの製品が出回っています。
ご自身のブランドや製品イメージにマッチするものを配合することで、お客さまのニーズに答える新しいチャンスをつかむことにつながります。
引き続き、化粧品開発・販売を行うみなさまのお役に立つ情報を発信していきます!